絵画:ローレンス・アルマ=タデマ 「葡萄の収穫祭」 (1870)
Sir Lawrence Alma-Tadema The Vintage Festival 1870
MIDI:ヘンデル 『水上の音楽』より ジーグI&II


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この絵画はポンペイで行われた酒神バッコスへの奉献の行列を描いた作品です。
行列は葡萄(ぶどう)の冠をつけた巫女により先導され、その後にアウロスを吹く娘たちの一隊、タンバリンを持つ2人の踊り子、ワインの入ったアンフォラを抱えた男たちが続きます。

床の銘文には「マルクス・ホルコニウス」と記されていますが、ホルコニウス家は、ポンペイの名家でした。
バッコス神の祭壇の下には、供儀のためのブロンズの三脚が置かれ、その下には捧げ物のワインの入った銀製の手桶(シトラ)が置かれています。
左側の柱に掛けられているのは、バッコス神と従者の絵画で、絵の下には、病気の足の治癒を祈願した、金属製の奉納板があります。
画面左端には酔っ払ったサテュロスの大理石像が立ち、その背後にはバッコス祭の酒宴の場面が彫られた大理石のクラテールが置かれています。
画面右端にはいくつもの銀製のワイン容器があり、その傍らには、てっぺんに松ぼっくりのついた、バッコス神の杖テュルソスが立てかけられています。