絵画:ローレンス・アルマ=タデマ 「クローヴィス王の子供たちの教育」 (1868)
Sir Lawrence Alma-Tadema The Education of the Children of Clovis 1868
MIDI:レオポルド・モーツァルト おもちゃのシンフォニー 第1楽章


この絵画は、481年、西ヨーロッパに建国されたフランク王国の、初代王クローヴィス(466-511)の家族を描いた作品です。

フランク王国は、西ローマ帝国に進入した、ゲルマン人のうちフランク族の一派サリ支族のメロビス王の孫クローヴィスを王に建国しました。
その王朝はクローヴィスの祖父メロビスにちなんで、メロビング朝と名づけられました。
クローヴィス王はカトリック(アタナシウス派)に改宗し、ローマ・カトリック教会とローマ系市民の支持を獲得し、領土を拡大しました。

511年にクローヴィスが亡くなり、4人の子が王国を分割相続して4カ国となります。
その後、分裂と統一を繰り返し、領土を拡大しますが、7世紀頃からメロビング朝の力は衰え、宮宰(きゅうさい)が力を持つようになりました。

宮宰は王領と近衛軍を管理し、王にかわって実権を持つようになり、ことに宮宰カール=マルテルが、王国に侵入したイスラム軍を破ってからは、更にその力は強まり、ついに751年カール=マルテルの子ピピンが王位を奪い、カロリング朝を創始しました。

カロリング朝はピピンの子カール大帝によって全盛期を迎えます。
カール大帝は西ヨーロッパの政治的統一を達成し、ローマ教皇から皇帝号を与えられます。
大帝の死後、王国は後継者争いから、イタリア、東フランク、西フランクの三つに分裂します。それが、イタリア、ドイツ、フランスの基礎となるのです。