絵画:ローレンス・アルマ=タデマ 「ヘリオガバルスの薔薇」 (1888)
Sir Lawrence Alma-Tadema The Roses of Heliogabalus 1888
MIDI:ボロディン 歌劇『イーゴリ公』より 「だったん人の踊り」
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218年から222年の4年という短い期間、ローマを統治したアウレリウス・アントニウス(別名ヘリオガバルス、あるいはエラガバルス)は悪名高い皇帝です。
エメサの東洋風の太陽神(ヘリオガバルス)崇拝をローマに導入しようとしましたが失敗し、東洋風の宮廷や途方もない宴会を幾夜も繰り広げました。
ある宴会の夜、彼は冗談で何トンもの薔薇の花びらを天蓋に乗せておき、その綱を緩めて、客人たちを窒息死させたそうです。 それを描いたのが、この絵画です。 皇帝とその取り巻き達は、その様子をまるで芝居を楽しむに眺めています。
放蕩と乱交の限りを尽くした皇帝は、18歳になる前に近衛兵により暗殺されます。 その遺骸は市内を引きずりまわされ、ティベレ川に投げ込まれたということです。
アルマ=タデマは、この絵画を、冬の間も薔薇を正確に描こうと、フランスのリヴィエラから取り寄せていました。 数ヵ月後、タデマのアトリエの床は薔薇の花びらで埋め尽くされたといいます。
まるで、悪名高い皇帝の饗宴の後のように。
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