絵画:ローレンス・アルマ=タデマ 「即位を宣するクラウディウス帝」 (1867)
Sir Lawrence Alma-Tadema Proclaiming Claudius Emperor 1867
MIDI::ベートーヴェン コリオラン序曲



クラウディウス帝(BC10 - 54)は、初代ローマ皇帝アウグストゥスの孫にあたり、悪名高いローマ皇帝カリグラ(カリギュラ)の叔父でした。
彼は難病により、肉体も精神も障害を受け、甥のカリグラ帝に頭が弱いとばかにされ、それゆえに唯一カリグラに殺されなかった男性血縁者でした。

カリグラが暗殺され、その知らせを聞いて怯えたクラウディウスは、カーテンの中に隠れ震えていましたが、兵士達に見つかり、皇帝と宣言されます。
けれど、彼は頭の弱いふりをしていただけで、元老院で立派に皇帝として演説しました。

クラウディウスの治世はなかなかのものでしたが、3人目の妻メッサリナが悪妻で、クラウディウスにあること無いことを吹き込み、皇帝になってからもなお暗殺に怯えていたクラウディウスはそれを信じ、多くの人間を殺害させました。けれどそのメッサリナは不貞の罪をおかし、処刑されてしまいます。

そして4人目にクラウディウスの妻になったのが、暗殺された先帝カリグラの妹で、悪女として名高いアグリッピナでした。
アグリッピナの連れ子こそ、暴君として名高いネロです。
アグリッピナはクラウディウスをだまし、後継者を彼の実子ブリタニクス(メッサリナとの子)ではなく、彼女の子ネロにその地位を与えさせてしまいます。
そしてクラウディウスに用のなくなったアグリッピナは、クラウディウスの食事に毒をもり、彼を殺害してしまうのです。
そして悪夢のような、暴君ネロの時代がおとずれるのです。

アルマ=タデマは、1871年にもカーテンに隠れたクラウディウスの絵画「ローマ皇帝クラウディウス(A Roman Emperor - Claudius)」を描いています。



A Roman Emperor - Claudius(1871)