ジョルジュ・バルビエ 「ジゼル」
George Barbier : Giselle
MIDI:アドルフ・アダン 「ジゼル」 第2幕のパ・ド・ドゥより アダージョ
A. Adam : 'Pas de Deux Adagio feom "Giselle"
「ジゼル」(1911年)
Giselle
音楽:アドルフ・アダン
美術:アレクサンドル・ブノワ
振付:ミハイル・フォーキン
Vaslav Nijinsky in 'Giselle' (1911)
バルビエの絵画に描かれているのは、ジゼルに扮したタマラ・カルサーヴィナです。
「ジゼル」は1814年にパリで初演されたアドルフ・アダン作曲の古典バレエで、フランスからロシアに渡りましたが、次第にロシア以外では上演されなくなってしまいます。
1924年にロシア版の『ジゼル』が生まれ故郷のパリ・オペラ座に里帰りしますが、それ以前に西欧では2度上演されています。
一つは1911年のディアギレフ・ロシア・バレエ団のロンドン公演、もう一つは1913年のパブロワ一座でした。
1911年のロンドン公演の「ジゼル」は、ジゼルをタマラ・カルサーヴィナ、アルブレヒトをニジンスキーが踊りました。演出はミハイル・フォーキンで、古典をそのまま上演しないフォーキンは、第一幕に道化を登場させるなど、いくつかの改訂があったそうです。
美術を担当したブノワは、完璧なノスタルジックな装置をデザインしました。第一幕は秋の風景で、遠く岩山の向こうに城が見えるもの。第ニ幕は、月に照らされた濃青色の森で、木々が絡み合っていました。
カルサーヴィナはジジゼルを完璧に美しく踊り、ニジンスキーもそつ無く踊りましたが、実はニジンスキーはこういったロマンチックな恋愛を描いた作品が苦手だったそうです。
Vaslav Nijinsky and Tamara Karsavina in 'Giselle' (1911)