ジョルジュ・バルビエ 「シェエラザード」II
George Barbier : Scheherazade



MIDI:ニコライ・リムスキー=コルサコフ 『シェエラザード』より 「若い王子と王女」
Nicolay Rimsky-Korsakov : Young Prince and the Young Princess from "Scheherazade"




 「シェエラザード」(1910年)
 Scheherazade
 音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
 美術:レオン・バクスト
 振付:ミハイル・フォーキン






 舞台はアラビアのハーレム。サルタンのシャリアールの留守中に、愛妾ゾベイダは宦官長に懇願して、黒人奴隷たちが閉じ込められている部屋の鍵を開けてもらいます。
 ゾベイダのお気に入りは金の衣装をまとった奴隷でした。官能的な饗宴が繰り広げられ、それが絶頂に達した時、突然シャリアールが戻ってきます。
 シャリアールは家来に命じ、その場にいた男女を1人残らずその場で惨殺しました。ゾベイダは短剣で自殺し、シャリアールの足元で息絶えました。

 このバレエはロシア・バレエ団が最初に創作したバレエでした。
 1910年の初演の時、ニジンスキーはゾベイダのお気に入りの金の奴隷を演じました。
 ゾベイダを演じたのは背の高い美人イダ・ルビンスタインで、対する金の奴隷、ニジンスキーは、あまり背が高くなく、猫ののような軽い身のこなしに加えて、どこか女性的なところがあり、この2人による踊りは、倒錯的で刺激的だったそうです。
 バクストによる、緑、赤、青を主体とした色鮮やかな装置と衣装は、パリの観客を熱狂させ、パリにオリエンタル・ファッションを流行させました。
 ジャン・コクトー、マルセル・プルースト、ガブリエレ・ダヌンツィオも、この舞台に魅了され、プルーストはレオナルド・アーン宛の手紙に「あんなに美しいものは生まれてはじめて観た」と書き送っています。




Ida Rubinstein in 'Sheherazade' (1910)