ジョルジュ・バルビエ 「クレオパトラ」
George Barbier : Cleopatre
「クレオパトラ」(1909年)
Cleopatre
音楽:グラズノーフ、グリンカ、タネーエフ、チェレプニン、ムソルグスキー
美術:レオン・バクスト
振付:ミハイル・フォーキン
このバレエはテオフィル・ゴーティエの『ある夜のクレオパトラ』が原作になっています。
ミハイル・フォーキン振付の一幕のバレエで、1808年にサンクト・ペテルブルクのマリンスキー劇場で、『エジプトの夜』というタイトルで初演されました。
エジプトの女王クレオパトラに熱烈な恋をした青年アムーンは、許婚を忘れ、ついには翌朝毒を飲むという条件ででクレオパトラに一夜をともにしてもらい、約束通り翌日毒を仰ぎます。
1809年の6月2日のパリ・シャトレ座での公演では、、タイトルを『エジプトの夜』から『クレオパトラ』と変え、クレオパトラをイダ・ルビンスタイン、アムーンにはこのバレエを振付けたミハイル・フォーキン、アムーンの許婚にアンナ・パブロワ、クレオパトラのベッドの周りを踊る奴隷にヴァツラフ・ニジンスキーとタマラ・カルサーヴィナでした。
Tamar Karsavina in 'Cleopatre'. (1909)
左右にピンク色の巨大な神像が並び立ち、正面に立ち並ぶ柱の間には、紫の薄暮の中に、ナイル川の水面が見えるというバクストの強烈な色彩の装置の中、奴隷たちがかついできた石棺の中から、七色のヴェールにくるまったクレオパトラが姿を現します。
クレオパトラは、色とりどりのヴェールを1枚1枚脱ぎながら姿を見せていきます。
クレオパトラとアムーンの抱擁は、奴隷たちがまわりで波打たせる布の影で行われます。
その前面ではアムーンの許婚の嘆きの舞い。そしてニジンスキーとカルサーヴィナが、グリンカの『ルスランとリュドミラ』の「トルコ舞曲」に合せて、スカーフを使って踊り、その後に奴隷娘がちが激しく踊る酒宴になります。
やがて夜が明け、クレオパトラはアムーンに毒を仰ぐことを命じます。ローマの勇将アントニウスの元に急ぐクレオパトラ。討ち捨てられた遺体に取りすがって悲しむ許婚の踊り。そして幕となります。
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Ida Rubinstein in 'Cleopatre'. (1909)
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