カール・ラーション 「ツツジ(アザリア)」 1906年
MIDI:リスト コンソレーション(慰め)第3番

Carl Larsson, Azalea, 1906.
MIDI : Franz Liszt, Consolation S172 No.3.



 豪華なツツジ(アザリア)の花と、ラーションの愛妻カーリンです。

 カーリンと出会う数年前、二十代後半のラーションは人生に絶望し、命を絶とうとしたことさえありました。けれどカーリンと出会い、彼女を愛し、愛されることによって、再び人生を愛し、多くのものを描きたいと思うようになったのです。
 カーリンは彼女自身も絵を学んだことから、常に夫ラーションの良き理解者であり、協力者でもありました。

 ある夏、何週間もずっと雨が降り続き、ラーションは憂鬱な気持ちになりました。そんなラーションに「わたしたちの家庭の思い出の記ともなるような水彩画を描いてみたら?」と提案したのがカーリンでした。
 そして、家と家族を描いたラーションの水彩画は、ストックホルムの展覧会でたいへんな好評を受け、その絵画を集めた本がヨーロッパの多くの人々に感銘を与えたのです。

 ラーションにとって、カーリンは人生を照らす光であり、どんな花より美しいと思う女性だったのでしょう。



結婚前、カーリンが描いた絵画
Karin Bergöö, Professor Malmström's Studio, 1882.