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カール・ラーション
1.「オールド・アンナ」(ダイニングルーム 北) 1896年
2.「ダイニングルーム」(西) 1994-7年
MIDI:フォスター 「ケンタッキーのわが家」

Carl Larsson
1. Old Anna (The dining-room, north wall), 1894-97
2. The dining-room (west wall), 1896.
MIDI : S.C.Foster, My Old Kentucky Home.
MIDi提供:仙姑宮




 ラーション家には、ラーションとカーリン夫婦、7人の子どもたちのほかに、お手伝いのアンナとエンマがいました。
 「老いたアンナ」では、開いたドアの向こうの台所で、アンナが仕事をしているのを描いてます。
 またテーブルに座っているらしい、小さな靴も見えます。誰か女の子が、アンナと話しをしているのかもしれません。ふとモンゴメリーの『赤毛のアン』シリーズの、第6巻『アンの愛の家庭』(炉辺荘のアン)の、アンの娘リラとお手伝いのスーザンを思い出しました。

 赤毛のアンは幼馴染みでライバルでもあったギルバートと結婚して、ちょうどラーション家と同じ7人の子の母となります。、リラは7番目、末っ子の女の子です。
 小さなリラは、お手伝いのスーザンに、孤児院の懇親会のために、教会にお菓子を持っていくように言われます。
 けれど小さなリラは、お菓子を持って歩くことはとても恥ずかしいことだと、子どもらしい妙な誤解を抱いていました。それはもっと小さな頃、ぼろぼろの服を着たお婆さんがお菓子を持って歩いているのを、村の子どもたちがからかっているのを見てしまったからで、このことからお菓子を持って歩けば「淑女になれない」と思うようになってしまったのです。
 何も知らないスーザンは、「金銀ケーキ」という豪華なケーキを焼き上げ、末っ子の女の子におつかいを頼んでしまったのです。
 教会まで行く道すがら、こういう時に限って、見られたくない大好きな人達に会ってしまうもので、あと少しで教会というところで、あこがれの日曜学校の女の先生に会いそうになったリラは、ついにケーキを川に投げ込んでしまいます。実は先生も、教会にお菓子を届けるところで、リラは自分はなんてことをしてしまったのだろうと悩みに悩んでしまいます。
 お母さんのアンにそのことを打ち明けて謝ったリラは、スーザンもお母さんも、決して自分に恥ずかしいことは頼まないとアンから言われ、ようやく笑顔が戻ります。
 絵を見ながら、様々なことを想像するのは楽しいです。