ベラスケス 「王妃マリアーナ」(1655-56)
Diego Velázquez (1599-1660) Queen Mariana, 1655-56.
マルガリータの母マリアーナは、神聖ローマ皇帝フェルディナント3世と王妃マリア・アンナの間に生まれました。マリア・アンナはスペイン王女で、スペイン国王フェリペ4世の妹でした。
フェリペ4世は1944年に王妃イサベル・デ・ボルボンを亡くし、その2年後には、ただ1人の王子バルタサール・カルロスを亡くしました。
そしてフェリペ4世は、1949年、まだ14歳だった自分の姪、マリアーナを後妻に迎えたのです。
マリアーナは元々亡くなったバルタサール・カルロス王子の婚約者で、フェリペ4世はマリアーナよりも30歳も年が離れ、義理の娘となった王女マリア・テレーサは4歳しか年が離れていませんでした。
ウィーンで育った彼女はスペインに馴染めず、1951年7月に王女マルガリータを生みますが、産後の肥立ちが悪く、しばらく臥せっていました。
嫁いだばかりのマリアーナは朗らかな少女でしたが、堅苦しいスペインの作法に馴染めず、また年の離れた夫は女性関係が激しく、庶子が大勢いたことも(非嫡子合せて43人もいたという説がります)、あったからでしょうか。肖像画のマリアーナは常に不満そうな顔をしています。
マルガリータは世継ぎを生むべく、マルガリータの後も4人の子どもを生みますが、3人は早世し、最後に生まれた男子カルロスは成長し、カルロス2世となりました。
マルガリータは父にも似ていますが、目元口元に母の面差しがあります。特に気の強さを感じさせる、ちょっととがった唇は良く似ています。
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ベラスケス画 「王妃マリアーナ・デ・アウストリア」(1652) |
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