アンドレ・マルティ 「青い鳥」 1945年
André E. Marty, L'Oiseau Bleu, 1945.

音楽:エドヴァルド・グリーグ 組曲『ホルベアの時代から』より 前奏曲
Edvard Grieg, Holberg Suite (From Holberg’s Time), Op.40, Prelude.





 旅の準備が整いました。
 チルチルとミチル、光、水、火、パン、砂糖、ミルクの精、犬のチローと猫のチレット、みんなそろって青い鳥を探しに行きます。

 道を歩いていくと、道が二手に分かれています。
 左の道には「思い出の国」と札が下がった大きな木があります。

 そこまで着いてきた妖精のおばあさんはチルチルとミチルに2人だけで、「思い出の国」に行くように言いました。

「思い出の国では、お前たちのおじいさんおばあさんに会えるよ。だだし9時15分までに帰って来なけりゃいけないよ。遅れたりしたらたいへんなことになってしまうからね」

「どうして会えるの?おじいちゃんもおばあちゃんも死んでいるのに」

「どうして死んでるものかね。おまえたちの思い出の中に生きているのに。人間はこの秘密を知らないんだ。死んだ人でも、思い出されれれば、死んでないのと同じに、生きて幸福に暮らしているんだと、これから分かるよ」

 そしてチルチルとミチルは左の「思い出の国」への道に。
 妖精たちは右の道へと行きました。