ブライアン・ワイルドスミス 「メーテルリンクのあおいとり」
Brian Wildsmith, Maurice Maeterlinck's Blue Bird.


音楽:J・S・バッハ シュープラー・コラール集より コラール「目覚めよと呼ぶ声あり」
Johann Sebastian Bach, Schubler chorales, No.1, BWV645, Wachet auf, ruft uns die Stimme
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 チルチルは話している子どもが何か持っているのに気付きました。

「君のいじっている大きな青い羽は何なの?」
「これはね、ぼくが地球に行った時、発明するものなの」

「なんの発明?きみ、何か発明したことがあるの?」
「うん、ある。ぼく下におりたらね、世の中を幸せにするものを発明するのよ。もうほとんどできてるの。見てみる?」

 その子どもはチルチルの手を引き、連れて行きました。
「ほら、ここからみえるでしょ。柱のあいだ…」

「ねえ、ぼくの発明もみてよ!」
 チルチルが見ると、ほかの子どもが服を引っ張っています。
「ぼく、長生きのくすりをつくってるの」

 さらにほかの子どももきました。
「ぼくの機械もみてよ!はねがなくって鳥のようにとぶんだよ」

 チルチルとミチルは子どもたちに青の工房に連れて行かれました。
 そこには空色の車輪、滑車、その他見たことのない不思議な形をした機械がいっぱいありました。子どもたちは一生懸命機械を動かしたり、図面や設計図を広げたり、計算をしたりしていました。

 更に行くと、とても大きなブドウ、メロン、リンゴを子どもたちが重そうに抱えて歩いてきました。これは未来に生まれる子どもたちが作り出すくだものなのです。

 地球に生まれる日のために、子どもたちはみんな、何かおみやげになるものを作っているのでした。