皇后の務め (皇后は輝かなければ)
Eine Kaiserin muss glänzen (It's the duty of an empress)



絵画:フランツ・ルース 「皇妃エリザベートの肖像」



 まだ少女の気分が抜けけらないまま嫁いだエリザベートは、姑ゾフィー大公妃から皇后としての厳しい作法を押し付けられる。

 皇后たる者は、輝いていなければ。
 義務に対する自覚を持って。
 王家を助け、自分を抑えるのです。

 朝早くからゾフィー皇太后自ら起こしに来て、歯が汚い、大好きな乗馬は禁止。頭ごなしに叱られたエリザベートは必死に反抗し、そこへ訪れた夫、フランツ・ヨーゼフに救いを求める。しかしフランツは、エリザベートの味方だと言いつつ、母を尊重し、助けようとしなかった。彼自身も母の言葉通りに生きてきたのだ。
 エリザベートは深く傷つく。