私だけに
Ich gehör nur mir (I belong to Me)



絵画:フランツ・ヴィンターハルター 「オーストリア皇后エリザベート
Franz Xavier Winterhalter, Kaiserin Elisabeth von Österreich



 姑ゾフィー大公妃押し付けられる堅苦しい宮廷作法、母のいいなりである夫フランツ・ヨーゼフにも失望し、エリザベートは、私は誰の所有物でもない、私の人生は私だけのものなのだからと歌います。
 エリザベート人生そのものであるような歌詞。この歌のメロディーは、劇中、別な曲の中でも何度か流れます。


Ich gehör nur mir

Ich will nicht gehorsam, gezähmt und gezogen sein.
Ich will nicht bescheiden, beliebt und betrogen sein.
Ich bin nicht das Eigentum von dir,
denn ich gehör nur mir.

Ich möchte vom Drahtseil herabsehn auf diese Welt.
Ich möchte auf's Eis gehn und selbst sehn, wie lang's mich hält.
Was geht es dich an, was ich riskier,
denn ich gehör nur mir.

Willst du mich belehren, dann zwingst du mich bloß,
zu fliehn vor der lästigen Pflicht.
Willst du mich bekehren, dann reiß ich mich los
und flieg wie ein Vogel ins Licht.

Und will ich die Sterne, dann finde ich selbst dorthin.
Ich wachse und lerne und bleibe doch wie ich bin.
Ich wehr mich, bevor ich mich verlier.
Denn ich gehör nur mir.

Ich will nicht mit Fragen und Wünschen belastet sein.
Vom Saum bis zum Kragen von Blicken betastet sein.
Ich flieh, wenn ich fremde Augen spür.
Denn ich gehor nur mir.

Und willst du mich finden, dann halt mich nicht fest.
Ich geb meine Freiheit nicht her.
Und willst du mich binden, verlaß ich dein Nest
und tauch wie ein Vogel ins Meer.

Ich warte auf Freunde und suche Geborgenheit.
Ich teile die Freude, ich teile die Traurigkeit.
Doch verlang nicht mein Leben, das kann ich dir nicht geben.
Denn ich gehör nur mir.
Nur mir!


 ドイツ語を学んだことがなく、訳す自信がないので、オリジナル・ウィーン・キャスト日本語訳(対訳:明星聖子)から最初の方を引用します。


 私は従順になどなりたくないし、
 おとなしくなろうとも、お行儀よくなろうとも思わない。
 私は謙虚になどなりたくないし、
 好かれようとも、騙されようとも思わない。
 私はあなたの所有物ではないの。
 だって、私は私だけのものなんですもの。

 私は綱渡りの綱の上から、この世界を見下ろしたいの。
 氷の上を歩きたいし、
 それがどれほどもつのか、自分の目で確かめたい。
 私が危険なことをするのが、
 あなたには問題なのでしょうけれど。
 私は私だけのものなの。

 あなたが忠告しようとしても、
 それは、私をわずらわしい義務から逃げさせるだけよ。
 あなたが私に考えを変えさせようとしても、
 私はふりきって、
 光に向かって鳥のように飛んでいくわ。
 星が欲しいなら、
 私は自分でそこへ行って手にいれるの。
 私だって成長するし、学んでもいるわ、
 でも、私は私のままなの。
 自分を失くす前に、自分を守るわ。
 だって、私は、私だけのものなんですもの。










1865年 ヨーゼフ・アルベルト撮影 ミュンヘンシリーズ
ちょっとこぼればなし♪

1865年、エリザベートはミュンヘンで、親族であるバイエルン国王ルートヴィヒ2世と会いました。
ヨーゼフ・アルベルトはルートヴィヒが贔屓にしていた写真家で、この時にルートヴィヒはエリザベートをアルベルトのスタジオに案内して、シリーズ写真の撮影をしました。上から3枚目の写真は、スタジオ入口の前で撮ったものです。
4枚目の写真は珍しく微笑んでいるシシィです。彼女が微笑んでいるのは写真家アルベルトでしょうか?もしルートヴヒだったら…?ちょっとロマンチックです。ルートヴィヒ2世はミュージカル『エリザベート』には出てきませんが、シシィと同じようにたいへんな美貌で、彼女と同じように孤独で、夢想家でした。



ルートヴィヒ2世(1864年)
King Ludwig II of Bavaria, 1864.