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美女と野獣

作:ボーモ ン夫人 


映画化もされた、美しく幻想的な童話です。
 
醜い野獣と美女。ふたりが出会うきっかけは一輪の薔薇なのです。

この物語は、ギリシャ神話の「アモールとプシュケ」や世界各地に類話 のある古い民話をもとにしていますが、1756年に、フランスのルプランス・ド・ ボーモン夫人によって書かれたものがもっともよく知られていて、ご紹 介するのはそのボーモン夫人のものです。


昔、裕福な商人がいました。
その商人には3人の息子と3人の娘がいました。
3人の娘はみな美人でしたが、とりわけ末の娘ベル(フランス語では美 女の意味)はこの上なく愛らしく、気立ても良い娘でした。

ところが父親の商人は、不幸にも突然全財産をなくしてしまいます。

一家は田舎に映り住み貧しい生活を送りますが、怠け者で贅沢好きな姉 達が嘆くだけなのに比べ、 ベルは家族の為、一生懸命家事をします。

そんな時、遭難したはずの船が一隻、商人の荷を積んで無事に戻ったと の知らせが届きます。
商人は財産を取り戻すために出発すしますが、その時に娘達にお土産に 何が欲しいか聞きます。
姉娘たちは高価なものをねだりますが、ベルが望んだのはバラ1輪でし た。

結局、商人の旅は徒労に終わり、商人は帰途についたものの、吹雪で森 の中、道に迷います。
死んでしまうかと思った時、豪華な魔法の城にたどりつきます。
そこには人1人いないのに、食事が用意され、商人は一夜を過ごします。
そのまま無事に出発しようとした時、庭園のバラのアーチを通りかかり ます。
商人はベルとの約束を思い出し、バラを1輪盗ってしまうのです。
このバラを盗んだ行為が城の主である恐ろしい野獣の怒りを招いて、野 獣は商人に、自分の命を差し出すか、 娘の命を差し出すか、どちらかにしろと迫ります。

悲嘆にくれ家に戻った商人。
商人は娘を野獣に差し出す気持はなく家族に別れを告げに来ただけでし た。
けれどそれを聞いたベルは進んで犠牲になろうと城に行きます。
ところが犠牲になるどころか 、野獣はベルを城の女主人にします。

野獣は昼間は姿を見せず、夕食の間だけベルのもとを訪れます。
そして必ず最後に聞きます。

「自分の妻になってくれないか」と。

ベルは野獣に次第に敬意を抱くようになったものの、その問いにだけは 首を横に振るのでした。

魔法の城の魔法の鏡はベルの見たいものを映します。
そこにベルは彼女がいなくなった悲しみのため病気になった父親の姿を 見ます。

ベルは父親の看病するため、しばらく家に帰りたいと野獣に頼みます。
野獣はその頼みを許すものの、ベルが戻らなかったら悲しみのあまり死 んでしまうだろうと言いました。
ベルは1週間経ったら戻ることを野獣に約束します。

父親はベルが戻ると歓喜し、病気はすぐに治ります。
けれど二人の姉はお姫さまのように着飾り、さらに美しくなったベルを 見て嫉妬し、ベルが城に 戻らないよう悲しむふりをし、もう1週間滞在することを約束させます。

けれどいつの間にか野獣を深く愛するようになっていたベルは、10日目 の夜、宮殿の庭園で死にかかっている 野獣の夢を見て飛び起き、城に戻ります。

夢の通り、庭園で野獣は死にかけていました。
ベルは駆け寄り野獣を愛していることを告げます。

その言葉をベルが告げた時、野獣の姿は消え1人の美しい王子がベルの 前にいました。
野獣は意地悪な仙女によって変えられた姿で、本当の愛の力で元の姿に 戻ったのです。

ベルは王子の妃として、父親と共に王子の国へと行き、末永く幸せに暮 しました。

嵐の晩に迷い込んだ魔法の城、バラの花、美女、野獣、庭園。
美しいけれどどこか影があり、明るい太陽のような童話という よりも、暗い夜の月のような幻想物語となっています。

この作品は作家、詩人、画家と多彩な才能を見せる、フランスのジャン・ コクトーによって1948年に最初に 映画化(下の写真右)され、ジャン・コクトーはこの暗い幻想的な美し さをフェルメールの絵(写真左 「手紙を書く女」)の イメージで創ったそうです。

『美女と野獣』は私の大好きな物語で大好きな映画、コクトーとフェル メールは大好きな画家です。

 




   


素材提供:Cloister Arts