赤いバ ラ

ロバート・バー ンズ



ああ、恋人は、赤い、赤いバラのよう
  六月に花咲く
ああ、恋人は音楽のよう
  甘い調べ

その美しさにかなうほどに
  私の愛もそれほど深い
恋人よ、いつまでも、あなたを愛する
  すべての海が涸れ果てるまで

恋人よ、すべての海が涸れ果てても
  すべての岩が太陽に溶けようとも
恋人よ、いつまでも、あなたを愛する
  私の命ある限り

ただ1人の恋人よ、さようなら
  しばしの別れだ!
恋人よ、私はまた戻ってくる
  1万マイルの彼方からでも!




  A Red, Red Rose
          
Robert Burns


O, my love's like a red, red rose
 That's newly sprung in June: .
 my luve is like the melody
 That's sweetly played in tune.
 
As fair art thou, my bonnie lass,
 So deep in love am I:
And I will love thee still, my dear,
 Till a' the seas gang dry.

Till a' the seas gang dry, my dear,
 And the rocks melt wi' the sun:
And I will luve thee still, my dear,
 While the sands o' life shall run.
         
And fare thee weel, my only love,
 And fare thee weel awhile!
And I will come again, my love,
 Tho' it were ten thousand mile.



美しい愛の詩です。
スコットランドの詩人ロバート・バーンズ(1759〜1796)の恋人を赤いバラに例えた 詩です。
日本語よりも原詩の方が“newly”“sweetly”など、韻を踏んでいて美しいと思いま す。
18世紀の詩なので、表現が少し古く、恋人に「必ず戻ってくるよ」と叶わないような 約束。
でも、恋している時は、どの時代でもこんな感じなのでしょうね。

この詩は私の大好きな漫画作品、萩尾望都さんの『残酷な神が支配する』に出てくる 詩です。
主人公の少年ジェルミが、義理の父グレッグの誕生日にプレゼントとして朗読した詩 です。
お父さんの誕生日に詩を贈るなんて、英国って優雅だなと憧れました。
『残酷な神が支配する』には「赤いバラ」の訳が途中までしかなかったため、また翻 訳者が分からなかったため、日本語訳はそのイメージのまま私が訳しました。