絵画:クロード・モネ「草上の昼食」(1865)
Luncheon on the Grass 1865
MIDI:メンデルスゾーン 『無言歌集』より 第3番作品19-3「狩人の歌」

1863年、サロンの審査に落ちた作品ばかりを集めた「落選展」が開催され、
エドゥアール・マネ(1832-1883)の「草上の昼食」(出品時のタイトルは「入浴」)が、
スキャンダルを起こしました。
マネの絵はジョルジョーネやラファエロといったルネッサンス期の巨匠の古典作品を
枠組みとしながら、現代のピクニックの情景を描いた作品でした。
けれど裸婦の姿(アカデミックな芸術にはふさわしい主題)を、
着衣の男性と並べて描いたことで、いかがわしいと大いに物議をかもしだしたのでした。


マネ「草上の昼食」(1863)

モネは、マネの作品を念頭に置きながら、古典を排除して、
現実のピクニックの風景を、木漏れ日の差す自然の中に描こうとしました。

数人の立っている男性と右前の足を伸ばしている男性のモデルは、
モネの親友で画家のバジールがつとめました。
左寄りに座っている男性のモデルは画家のアルベール・ランブロン・デ・ピルティエール、
そして5人の女性のおもだったモデルは、
後にモネの妻となるカミーユ・ドンシューだと思われます。