ギャング・オブ・ニューヨーク

2002 年/アメリカ/160分
カッコ 監督:マーティン・スコセッシ
製作:アルベルト・クリマルディ
原案・脚本:ジェイ・コックス
撮影監督:ミヒャエル・バルハウス

キャスト
アムステルダム:レオナルド・ディカプリオ
ビル・ザ・ブッチャー:ダニエル・デイ=ルイス
ジェニー:キャメロン・ディアス
ヴァロン神父:リーアム・ニーソン
ジョニー:ヘンリー・トーマス

STORY
1846年、NY。移民同士の抗争により、少年アムス テルダムは目前で父親を殺された。 16年後、父の仇であるギャング組織のボス、ビルへの復讐を画策。自らの素性を隠し、 アムステルダムはビルの組織に潜入する。 けれどアムステルダムは憎しみを超えて不思議な信頼関係をビルと築きつつあったか に見えた。




オペラのように壮大な叙事詩でした。
先住移民(ネイティブ)とアイルランドからの新しい移民(デッド・ラビッツ)がリー ダーを中心に広場へ、 冒頭と終わりに2度抗戦のため並ぶ風景は、とても美しいと思いました。

この物語は、ビル(ダニエル・デイ=ルイス)とアムステルダム(レオナルド・ディ カプリオ)、先住移民と新しい移民の 物語です。
授業でやった世界史の中で、南北戦争だけをやって、あっという間に通り過ぎてしまっ たこの時代、NYではこんな出来事 があったのだと驚きました。

貧しくてアメリカに移民してきたものの、着いた早々に300ドルと三食付きという理 由だけで、入隊するアイルランド の青年達。軍服を着込み船へと登っていく、すぐ横で同じ船から戦死者の棺が降ろさ れていく。印象的な風景でした。
そんな移民達に、投票を得るためだけにパンを与える、立候補者達の姿も。

以前観た『グローリー』という映画で、北軍の軍人として初めて黒人の部隊ができた のが印象的でしたが、この『ギャング・オブ・ニューヨーク』では 黒人は解放されたものの、暴動の度に、同じデッド・ラビッツでも、他の仲間とは区 別されてリンチを受けている のがショックでした。

父を殺されたアムステルダムと、彼が復讐のために近付いたビルの間に、不思議な信 頼感系が生まれていくシーンが好きでした。

父を殺したその日を記念日としてビルが毎年祝っているのに怒りを覚えたものの、ビ ルが父に尊敬をこめているのを見て、ビルが父に 対して思っている気持と同じように、敵ながら尊敬を感じていくアムステルダム。
ビルもまた、アムステルダムを息子のように思っていたのでしょう。アムステルダム を殺しきれない、非情になりきれない気持に せつなくなりました。
ダニエル・デイ=ルイス、5年ぶりの映画出演だそうですが、役を楽しんで演じてい て、素晴らしかったです。彼も監督、レオと共に来日して 役について語って欲しかったです。

ただ女スリジェニーの描き方については、アムステルダムとの恋も含めて、どこか甘 さを感じてしまいました。
ただダンスパーティのシーンで、女王に選ばれたジェニーが椅子に座って、後ろに次々 と立つ男性を鏡で見てパートナーを選ぶシーンは とてもドキドキしました。
鏡に映ったアムステルダムのレオナルド・ディカプリオを見て、鏡の中でちょっと驚 いた表情のジェニー。彼が自分ではないと思って去ろうとする間際、 「彼に」と言った時は、そうよね〜とミーハーしてしまいました。
レオ、とても素敵でした(#^_^#)
同じような服装のデッド・ラビッツの中で、どこにいてもパッと華があり、すぐに見 つけてしまいます。
背が高くて、でも背が高い人にありがちの猫背ではなくて、背筋を伸ばして歩いてい て、リーダーらしい威厳とカリスマ性を感じました。
インタビューを受けている素顔よりも、演技をしている時の方が、本当に美しさを感 じます。映画に愛されている俳優なのでしょう。
ビルのダニエル・デイ=ルイスもダンディで素敵ですし、ビルはネイティブの王様、 アムステルダムはデッド・ラビッツの王子様 のようだと思いました。とてもとてもミーハーです(#^_^#)
素敵なキャストにしてくれた、スコセッシ監督にとても感謝しています(笑)

2時間40分という長さを少しも感じませんでした。
素晴らしい歴史大作です。