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  鳩の翼

STORY
“鳩の翼”、英国では「無垢」を意味し、限られ た時を生き、 自由への飛翔を望んだヒロインを象徴する。1910年、ロンドン。没落した中産階級の 娘ケイトは、 上流階級の因習と支配的な叔母によって、貧しいジャーナリストのマートンとの結婚 を禁じられている。 情熱的で意志の強いケイトは、運命を変えようとしていた。そんな時、富豪のアメリ カ人ミリーに出逢い、 その天使のような寛容さに心を奪われる。一方ミリーはケイトの恋人マートンに惹か れていた。 ミリーは不治の病に冒され、限りある時間をせいいっぱい生きようと決めていた。 伝統のロンドンから、神秘的なヴェニスへの3人の旅。ゴンドラは、二人乗り。 ケイトは恋人をミリーの横に乗せた。その時から恋の迷路に入り込んでしまう。 ヴェニスの魔力が、ミリーの純粋さが、3人の絡み合った愛と欲望を解き放つ…。


心は、他人の心はもちろん、自分自身の心でさえも、なんて思い通りにならないのだ ろう?と 考えさせれられた映画でした。
特に愛するということについて。
お金持ちの後見人(叔母)のお陰で生活をしているイギリス人女性ケイト。
彼女には、貧しさ故に叔母から結婚を反対されている恋人マートンがいますが、叔母 は結婚に反対しています。 マートンと結婚するのなら援助は打ち切ると言っています。
ケイトには落ちぶれたアル中の父親がいて(ケイトの母とかつて駆落ち結婚)、叔母 の援助でなんとか暮らしている 状態、叔母の援助がなければ、ひどい暮らしになることは間違いありません。
ケイトは一度はマートンと別れようと考えるものの、更に気持は燃えあがるばかり。
そんな時ケイトは、アメリカ人で天涯孤独の富裕なミリーという若い女性と出会い、 友人となります。
ケイトとミリーが一緒の時、偶然マートンと出会います。 叔母に交際を反対されているため、ケイトはミリーにマートンが恋人同士ということ を告げなかったため、 何も知らないミリーは密かにマートンに恋をします。
ケイトはある時ミリーの命が余命幾ばくもないことを偶然に知ります。
そしてミリーがマートンに財産を残すように、 一時的とはいえ、マートンとミリーを結び付けようと画策するのです。
心を偽るのだから倫理には反しますが、財産があれば自分も恋人も幸せな結婚が出来、 親友も最後の時間を思う人と過ごせて幸せ、と考えることも出来ます。
周囲も自分自身もいくら止めても変わることのなかったケイトとマートンの情熱的な 恋。 ケイトは自分の恋に自信があったのかもしれません。
一方ミリーは優しい女性で、自分の死を受け入れていて、残り少ない人生を静かに終 えたいと考えています。
ところが、恋によってミリーハ次第に変化して、自分でも思いがけない大胆な行動を したり、 もっと生きたいとさえ望んでしまいます。
一方マートンはケイトと共謀しているつもりが、次第にミリーの心に苦しみ始めます。
ケイトは嫉妬し、自らマートンとの関係を暴露するような行動に出てしまいます。
そしてミリーの死が近付いてきます。
嘘と嫉妬、憤りや許しも愛の一部。それぞれの思いが総べて明らかになると、 結局は深い愛情と深い悲しみがあることに気付きます。 正視しなければ幸福なのに、見つめあうことで、見つめる相手の愛と悲しみ、 相手の瞳に映る自分の愛と悲しみに気付いてしまいます。
行動することとしないこと、どちらが幸福だったのか。
どちらにしても愛は成就しなかったかもしれないけれど、でも行動した結果、残った 愛と悲しみの方が、 より深いと思いました。泣くことさえできない悲しみ。
死んでしまったミリーへの深い愛に気付いてしまったマートン。 出会えたこと自体幸福で、マートンのこともケイトのことも愛していると言ったミリー 。 ミリーの遺言で財産を受け取って、晴れてけいとと結婚できるようになっても、 マートンの中で溢れてくるのは失った悲しみと、伝えることのできなくなった愛情で。
この映画を観た後で原作も読みましたが、原作の主人公はミリー、映画ではケイトで した。
私としてはケイトが主人公の方がおもしろいと思いました。
愚かで情熱的で、未数からの手で愛を失ったケイト。
マートンの目の中に愛情ではなく同情を見た時の呆然。
もし彼女が行動していなければ、失った愛に、少なくとも泣くことはできたはずでしょ う。
人の心の難しさを知った、素敵な映画でした。