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  髪結いの亭主

1990年/フランス/82分
監督:パトリス・ルコント
製作:ティエリー・ド・ガネ
脚本:クロード・クロッツ/パトリス・ルコント
撮影:エドゥアルド・セラ
音楽:マイケル・ナイマン

キャスト
ジャン・ロシュフォール:アントワーヌ
アンナ・ガリエナ: マチルド


STORY
シャキシャキと髪の上を滑るハサミの音、ローショ ンの匂い、 そして理容師の柔らかな指の感触・・・子供のころから、理髪師の女の人と結婚する ことを夢見てきたアントワーヌは、 中年になって理想の相手に出会い、結婚する。 愛につつまれた穏やかな毎日。至福 の時をおくる アントワーヌだが・・・。


夢のような愛の物語です。 主人公のアントワーヌの子供の頃の夢は「髪結いの“亭主”」になること。
グラマラスな理髪師の女性に初恋をし、それからずっとこの職業の女性に深い憧れを 抱き続けます。
そして中年になって出会ったのが、彼が願った通りの美しい理髪師のマチルド。あっ けないほど簡単に結婚が実現します。
夢にまで見た理髪店での生活。アントワーヌは何もせず、ただただうっとりと、客の 髪を切る彼女を見て過ごします。
何もしない夫だけれど、2人の生活はとてもとても幸福なのです。羨ましいくらいに。
この映画を観ている間、どちらかといえばアントワーヌに感情移入してきました。け れど、最後の最後になってマチルドに 感情移入してしまいました。全てではありませんが。最初はショックで、でも次第に、 彼女の選択に憧れて しまいました。一方では、酷いとも思えますが。

理髪店でのアントワーヌとマチルドのラブシーン。マチルドはともかくアントワーヌ は若くも美しくもありませんが、 とてもエロティシズムを感じました。
それはこの2人にとって、これ以上ないくらいの幸せな瞬間。

まどろむアントワーヌ。
そのアントワーヌを残し、突然マチルドは川の身を投げてしまうのです。

本当の理由は分かりません。

けれどマチルドの言った言葉。
「ひとつだけ約束して、愛してるふりは絶対しないで」

幸せの絶頂は、もうそれ以上上に行くことはなく、そしてずっとそのまま続くわけで もなくて。
でも、ずっと幸せでいたくて。

勝手なのはアントワーヌ? それともマチルドの方だったのでしょうか?
そして愛の理想を押しつけたのは?

もしこの映画のラストが不幸というのなら、不幸は初めから始まっています。そして 幸福というのなら、 まるで夢のような、終わらない夢である作品です。


そして私はこの作品の愛を“幸福”だと思いました。