ライフ・イズ・ビューティフル

1998年/イタリア/117分
監督:ロベルト・ベニーニ
音楽:ジョルジオ・カンタリーニ
出演:ロベルト・ベニーニ,ニコレッタ・ブラスキ
    ジョルジオ・カンタリーニ


STORY
1939年。ユダヤ系イタリア人のグイドは、 トスカーナのある街にやって来た。そこで彼は小学校教師のドーラに恋をする。彼の 純粋さとロマンチックな人柄は、 確実に彼女の心をとらえ、困難の末ふたりはめでたく結ばれ、息子を交えた親子3人 の幸福な家庭を築くのだった。 だが、戦争の色が濃くなり、幸せだった家族には強制収容所行きの過酷な運命が……。 絶望と死の恐怖に支配された世界を目の前にして、グイドは家族を守るため、ある “嘘”を思いつく…。



JLa Vita E Bella ライフ・イズ・ビューティフル



Buon GiornoPrincipessa ボンジョルノ 姫さま




お伽話は“嘘”とは言わないような気がします。
この映画は優しい優しいお伽話でした。
この映画の主人公グイドはちっともかっこ良くない。髪は後退気味、ハンサムでも 、背が高いわけでもない。口は達者だけれど、人を丸め込めるほど狡猾ではなく、 重い物を持つとすぐへたばってしまうほど、非力なお父さん。
そんなお父さんが女装をしておどけながら行進の真似をしたら、絶対他人のふり!・・ ・のはずなのに、 映画館で涙が止まりませんでした。このシーン。
みんな暗い虚ろな目で過ごす、死と隣り合わせの収容所の中で、1人明るい目でお父 さんに教えられた “ゲーム”で一番になって、御褒美を貰おうと笑って過ごすジョズエは、天使のよう でした。
ユダヤ人でもないのに、夫と息子と離れられなくてついてきたドーラは、結婚して何 年も経って、 お母さんになってもおばさんになっても、グイドにとってはいつもまでも“お姫様”。
格好悪いけれど、間違いなくグイドは王子様でした。
グイドに代わって、もし成長したジョズエが、王子様とお姫さまのお伽話の結末を語 るとしたら、 きっと“数々の危険を乗り越えてお姫様を救った王子様。王子様とお姫様は、末永く 楽しく暮らしました。 めでたしめでたし”だと思います。
優しいお伽話は“嘘”とは言わないと思うので。