遠い空の向こうに

1999年/米 /1時間48分
監督:ジョー・ジョンストン
原作: ホーマー・H・ヒッカム・Jr.
脚本: ルイス・コリック
製作: チャールズ・ゴードン、ラリー・フランコ
撮影: フレッド・マーフィー
編集: ロバート・ダルヴァ
プロダクション・デザイン: バリー・ロビソン
衣装: ベッツィ・コックス
音楽: マーク・アイシャム

キャスト
ホーマー・ヒッカム: ジェイク・ギレンホール
ジョン・ヒッカム: クリス・クーパー
クエンティン: クリス・オーウェン
ミス・ライリー: ローラ・ダーン
ロイ・リー: ウイリアム・リー・スコット
オデル: チャド・リンドバーグ
エルシー・ヒッカム: ナタリー・キャナディ


STORY
1957年10月、夜空に輝くソ連の人工衛星スプート ニクを観た少年たちは 思った。「僕たちもロケットを作ろう」と 。 今を溯ること40数年、ソビエトは世界で初めて人工衛星スプートニクの打ち上げに成 功した。 その軌跡は世界中のどの場所からでも確認することが出来た。ウエスト・ヴァージニ ア州の炭坑の町コールウッドも 決して例外ではなかった。何をやっても中途半端な高校生、ホーマー・ヒッカム。彼 が夜空を横切るスプートニクの 美しい飛行軌跡に魅せられた瞬間、彼自身と友達、家族、そして町全体に変化が始ま り、それは次第に大きな物へと 変わっていった…。 この物語は炭坑の町の一人の少年が、ロケット作りに魅せられ、周囲の無理解とあら ゆる困難を4人の友情で乗り越え、 遂にはロケット作りに成功。後にNASAのエンジニアになるまでに至った男、ホーマー ・ヒッカム・ジュニアの感動の 実話である。



感激しました。なんて素晴らしい作品なのでしょう!
間違いなく、名作だと思います。
悲しいお話ではないのに、中盤から涙が止まりませんでした。

夢を持ち続けることの素晴らしさを、思う存分に味わえる作品です。 少年時代という美しさ。「スタンド・バイ・ミー」の12歳も美しいと思いました。 けれど、一時期問題にされた17歳も、限りなく美しい季節なのだと改めて感じました。
自分をこの世に生んだ父(炭鉱夫)と母。そして心を育ててくれた父と母(フォン・ ブラウン博士とライリー先生)。 学がなく無理解な父というのはよくありますが、主人公のホーマーの父は、大学にも 行かずホーマーのロケットを 作るという夢に無理解とはいえ、炭鉱夫としても人間としても本当に立派な人でした。 ヒーローは英雄であり、 決して有名人のことではない。地下へと降りていく父と、空を見上げる息子、どちら も英雄でした。
目を煌めかせて、失敗しても失敗しても、ロケットの実験をする少年達の姿、時にユー モラスに、 時に思いがけない残酷な結果への涙もあったりと、とても心に残りました。
そしてこの作品は、大好きな作家レイ・ブラットベリの短編『ウは宇宙船のウ』の、 やはりロケットを夢見ていた少年達を 思い出しました。

自分の人生を変えてしまう出会いは不思議です。人工衛星スプートニクを見たのは、 少年ホーマーだけではないのに。
昨年私も見た獅子座流星群もまた、誰かの未来を変えたのかもしれないと、ふと思い ました。