絵画:ウォルター・クレイン 「桜草(プリムローズ)」 『シェイクスピアの花園』より
MIDI:リスト 「ため息」 『三つの演奏会用練習曲』より
Walter Crane, Primrose from "Flowers from Shakespeare's Garden", 1906.
MIDI : Franz Liszt, ''Un Sosprio from "Trois Caprices Poetiques".
PERDITA
O Proserpina, for the flowers
now, that frighted thou let'st fall from Dis's
waggon!
Daffodils, that come before the swallow dares, and take
the winds of March with beauty;
Violets dim, but sweeter than the
lids of Juno's eyes or Cytherea's breath;
Pale primroses, that
die unmarried, ere they can behold bright Phoebus in his strength. -- a
malady most incident to maids;
(Winter's tale, Act 4. Scene 4. by William Shakespeare)
パーディタ
ああ、プロセルピナ、 あなたが驚いて、黄泉の国の王ディスの車から落とした あのとりどりの花がほしい!
ラッパ水仙、 ツバメもまだ来ぬちに咲いて その美しさで、三月の風をまどわすもの。
スミレの花、 色は淡いけれど、 ジュノーのまぶたより麗しく、 キュテレイアの息よりもかぐわしい。
薄い色の桜草は、 力強く輝く太陽神フィーバスの姿を見ることなく、死んでいく。 乙女にはよくありがちな病気ね。
(ウィリアム・シェイクスピア 『冬物語』 第4幕第4場) |
シェイクスピアの『冬物語』より、「パーディタの花づくし (Perdita's Catalogue)
」として知られるセリフです。
パーディタは羊飼いの娘として育てられた、シシリアの王女です。このセリフの中ではラッパズイセン、スミレ、桜草(プリムローズ)など、色とりどりの花が歌われます。
この詩に出てくるギリシャの神々の名前は、Proserpinaは、大地の女神セレス(デメテル)の娘ペルセポネ、Dis(ディス)は冥界の王ハデス、Juno(ジュノー)は全能神ジュピター(ゼウス)の妻で、結婚の女神ヘラ、Cytherea(キュテレイア)は、美と愛の女神ヴィーナス(アフロディテ)、フィーバス(Phoebus)は太陽神アポロンのことです。 |
Anthony Frederick Sandys, Perdita, 1875.
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