絵画:ウォルター・クレイン 「パセリ」 『じゃじゃ馬ならし』より
MIDI:ドリーブ 『コッペリア』より ワルツ

Walter Crane, Parsley from "The Taming of the Shrew".
MIDI : Delibes, ''Waltz from Coppelia.


BIONDELLO
I cannot tarry: I knew a wench married in an afternoon
as she went to the garden for parsley to stuff a rabbit.
       (The Taming of the Shrew, Act 4. Scene 4. by William Shakespeare)

ビオンデロ
待っている暇はありません。うさぎに食べさせるパセリを朝、庭に摘みに行った娘が、
その日の午後には結婚したという話もありますしね
             (ウィリアム・シェイクスピア 『じゃじゃ馬ならし』 第4幕第4場)


作者不詳 『じゃじゃ馬ならし』より 「カタリーナ」
anony, Katharina from "The Taming of the Shrew", c.1860.


 『じゃじゃ馬ならし』(初演 1593)は、最初から最後まで楽しい、明るい喜劇です。
 パデュアの資産家バプティスタにはカタリーナ(ケイト)とビアンカという2人の娘がいましたが、妹のビアンカは美人でしとやかで、何人もの求婚者がいましたが、姉のカタリーナは勝気な性格から、評判のじゃじゃ馬娘で、誰も嫁にもらおうとする者はいませんでした。
 困り果てたバプティスタは、姉が嫁に行くまでは、妹は嫁に出さないと、求婚者たちに申し渡します。
 そんな時求婚者の1人ホーテンシオのところへ、友人のペトルーキオがたずねてきます。ペトルーキオは変わり者で、じゃじゃ馬であろうがなんであろうが、金さえあればいいと、カタリーナと強引に結婚に持ち込みます。
 結婚したカタリーナを待ち受けていたのは、想像を絶する「じゃじゃ馬馴らし」の苦行でした。
食べさせない、眠らせない、着飾らせない、の3ない運動に、さすがのじゃじゃ馬娘も参ってしまいます。
 けれど「じゃじゃ馬ならし」は花嫁いじめではなく、実はカタリーナに人生という舞台はさわやかに演じてこそ素晴らしいものだと、ペトルーキオは教えたかったのです。カタリーナもそのことに、ようやく気付いきます。

 ところで上記にかかげたパセリのセリフですが、当時パセリには推淫作用があると信じられていました。このセリフはそれを皮肉ったものかもしれません。


Arthur Rackham, "The Taming of the Shrew".




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