歌川広重 「東海道五十三次・蒲原(夜之雪)」
MIDI:ドビュッシー 前奏曲集 第1巻 第6曲 「雪の上の足跡」
Utagawa Hiroshige (1797-1858)
Kambara: Evening Snow.
1834.
MIDI : Claude Debussy, Des pas sur la neige.



 雪の静けさを感じる美しい絵画です。家々は雨戸をしっかりと閉ざし、静かに降る雪の音、そして雪を踏む足音だけが聞こえてくるのでしょう。
 この絵の舞台である静岡県の蒲原は温暖な気候で、絵画のような大雪は降らないそうです。この絵画はおそらく広重が想像で描いた雪景色なのでしょう。
 この絵画の背景の黒のぼかしは、上からぼかしたものと下からぼかしたものの2種類があります。ここでは下からぼかしたものにしてみました。

 また、下の絵画「木曽路の山川」は広重の死の1年前、最晩年の作品です。
 一つの村落どころか、世界中を雪で覆いつくしたかのような、三枚続きの壮大な作品です。
 「蒲原」は人の目線ですが、「木曽路〜」の方は、空から俯瞰した神の目線のようです。


「木曽路之山川」
Mountain and River on the Kiso Road (1857)