絵画:ローレンス・アルマ=タデマ 「アトリエにて」 (1893)
Sir Lawrence Alma-Tadema In My Studio 1893
MIDI:ブラームス 交響曲第3番第3楽章


この絵画をトップページに飾った日(2004年9月26日)の前日、フランスの女流作家フランソワーズ・サガンの訃報が報じられました。
2004年9月24日夜(日本時間25日未明)、ノルマンディー地方オンフルールの病院で心臓疾患のための死去、69歳でした。
代表作は、彼女の18歳の時のデビュー作『悲しみよこんにちは』です。
私の好きな作家であった彼女の死をしのんで、サガンの『ブラークスはお好き』を映画化した『さよならをもう一度』に使われたブラームスの交響曲第3番第3楽章を、この日、流しました。
この曲は、女優で歌手でもあるジェーン・バーキンが『バビロンの妖精』というタイトルで歌っています。

『ブラームスはお好き』は、自立して聡明で、仕事も恋も安定した39歳の女性ポールと彼女より15歳も年下の美しい金持ちの息子シモンとの恋を描いた作品です。

朝おきると、彼女はドアの下に速達が入っているのを見つけた。むかしの人はこれを『青紙』(パリの速達は青色)と詩的に呼んだものだ。彼女は詩的だと思った。
なぜなら、十一月の澄み切った空にふたたび太陽が姿をあらわして、部屋中あたたかい光と影で満たしていたからである。

『六時に、プレイエル・ホールとてもいい音楽会があります』とシモンは書いていた。
『ブラームスはお好きですか?きのうは失礼しました』
ポールはほほえんだ。
彼女は二行目の『ブラムスはお好きですか?』にほほえんだのである。
それは、彼女が十七ぐらいの時、男の子たちが彼女にきいたのと同じ種類の質問だった。

フランソワーズ・サガン『ブラームスはお好き』より


ブラームスの交響曲はどれも美しく、このページで流している交響曲第3番以外にも、このHPでは、『トロイ』コンテンツで、交響曲第1番第1楽章交響曲第4番第1楽章のMIDIを流しています。