絵画:C.L.デレ 「マリー・アントワネットとルイ16世の結婚式」
The wedding of Marie-Antoinette and Louis XVI

音楽:バッハ 結婚式のための3つのコラールより 「全てのものよ 神に感謝せよ」
J.S.Bach, Wedding Chorales BWV251, Nun danket alle Gott.


 1770年5月16日、ヴェルサイユのルイ14世寺院で、マリー・アントワネットと王太子ルイ・オーギュスト(後のルイ16世)の結婚式が、盛大に行われました。
 この時、マリー・アントワネットは、14歳と6ヶ月、王太子ルイは15歳と9ヶ月でした。



 この結婚式は、一般には公開されず、名門旧家の貴族だけが、見ることを許されました。
 結婚約束書に、一族の者たちが、国王ルイ15世を筆頭に、身分の順に署名していきます。
 マリー・アントワネットの番になり、彼女が署名した時、あやまって筆をすべらし、自分の名の横に、インキのしみをつけてしまいます。そんな粗相をしたのは、彼女1人だけでした。
 結婚約束書につけられたしみ、それはまるで後の、不幸の兆しのようでした。

 そして結婚式の翌朝、王太子は日記にこう書きました。
 「なにもなし(リヤン)」と。

 2人の間に、子どもが生まれるまで、7年の歳月を要しました。


The wedding of Marie-Antoinette and Louis XVI