キッチュ
Kitsch



絵画:ミハーユ・ゴヴァーチェ 「戴冠式用ドレスのハンガリー王妃エリザベート



 1867年6月8日、ブタペストの大聖堂で、フランツ=ヨーゼフとエリーザベトのハンガリー王・王妃の戴冠式が行われる。
 大聖堂の前の広場では新国王夫妻が出てくるのを群集が待っていた。そこへルケーニ(後のエリザベートの暗殺者)がトランクを持って登場し、即席の記念品売り場を設け、幸せそうなロイヤルファミリーのグッズを売りつけようとする。その褒め言葉はいつの間にか批判的になり、幸せそうな姿はすべてまがい物(キッチュ)だと野次る。
 美しい王妃エリザベートはエゴイスト。息子のため姑と戦ったのは、単に姑に勝利するため。その後は息子をはほったらかしと。

 まったくのキッチュ(まがい物)だぜ!
 キッチュ!
 キッチュ!




ハンガリー王妃エリザベート
Elisabeth, Queen of Hungary.