A.I.

2001年/米 /2時間23分
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント, ジュ―ド・ロウ,フランシス・オーコナー, ブレンダン・グリーゾン, ウィリアム・ハート


STORY
乱開発の影響でかつての物質文明の大半を失うこ とになった近未来の地球。 そこは天然資源の枯渇と有効なエクメーネの減少から、厳格な人口抑制作の取られる 社会だった。そんな中、 人間の生活にさまざまな助けと潤いをもたらすものとして、さまざまな用途で多彩な ロボットたちな開発が進められて いた。そして今、初めて「愛」という感情をインプットされた少年型ロボットが誕生 しようとしていた。 彼の名はデイヴィッド。愛する息子を不治の病に侵された若い夫婦の許に彼は送り込 まれる。愛すること、 そして愛されることを経験する初の人口知能として。


人工知能(Artificial Intelligence)の略のA.I.、AIは日本語の「アイ(愛)」とも 読めて、不思議な気がしました。
小さな男の子がクマのぬいぐるみと手をつないでる姿は、「くまのプーさん」のクリ ストファー・ロビンと プーさんを思い出しました。未来を舞台にしているのに、不思議なくらい懐かしい子 供らしい子供。
映画については、CGを使い過ぎ、お金をかけ過ぎのような気がしましたが、母を思う 子の愛は、 やはり涙してしまいました。
モニカの子供のマーティンも、未来が舞台なのにママに寝る前に絵本を読んでもらう、 やはり子供らしい子供。 でもいつか成長して、反抗したり、ママより大切な友達やGFができるでしょう。 ロボットの無償の、不変的な母親への愛は、子供の側から見ると脅威です。場合によっ ては、捨てられるのは、 ロボットではなく自分であるのかもしれない。マーティンが、ママからデイビッドを 遠ざけようとした気持が分かる ような気がしました。
この物語では、人間よりもロボットに依存してしまう人はいなかったけれど、ひたす ら愛してくれる子供、 ジョーのように自分の好みに合わせてくれて素敵な言葉を言ってくれる恋人、現実の 家族や恋人よりも大切に思って しまう人はいなかったのでしょうか。それはそれで怖い未来だとは思いますが。
もしかしたら、大量生産された“デイビッド”の中には、母親から本当の子供以上に 愛を受ける“デイビッド” の別の物語があったのかもしないと、ふと思いました。
数千年後に発見された“愛という記憶を持つ遺物”について、古代エジブトのツタン カーメン墓が発見された エピソードを思い出しました。発掘したカーターが遺物の中で一番感動した物は、黄 金のデスマスクでも宝物 でもなく、王の棺の上に置かれた1つの花束だそうです。3千年経っても、不思議な 事に摘まれたままの、 みずみずしい状態だったそうです。科学的な調査では違うのかもしれませんが、私は その花束に“愛”を感じました。
最後に映画のラストについて。
痛烈な皮肉としてもも取れますが、やはり“愛”に泣いてしまいました。