絵画:ローレンス・アルマ=タデマ もう何も尋ねないで(1906)
Sir Lawrence Alma-Tadema Ask me no more 1906
MIDI:作曲者不詳「シチリアーナ」
絵画「もう何も尋ねないで(Ask me no more)」(1906)は、
イギリスの詩人、アルフレッド・テニスン(1809-1892)の詩
「もう何も尋ねないで」をもとに、描かれました。
テニスンと言えば、私にとっての最初の出会いは小学4年生の時に出会った
『赤毛のアン』です。
テニスンの詩「ランスロットとエレーン」を、学校で学んだアンと友人たちが、
詩の真似をして小船にアンを乗せて、アンが溺れそうになったシーンは有名です。
それからテニスンの詩はアガサ・クリスティの小説
『鏡は横にひび割れて』のタイトルにもなっています。
こちらはテニスンの「シャロット姫」からの引用です。
どちらも「アーサー王物語」に基づいた詩です。
Ask me no more Songs from "The Princess"
Alfred Lord Tennyson
Ask me no more: the moon may draw the sea;
The cloud may stoop from heaven and take the shape
With fold to fold, of mountain or of cape;
But O too fond,
When have I answered thee?
Ask me no more.
Ask me no more: what answer should I give?
I love not hollow cheek or faded eye:
Yet, O my friend, I will not have thee die!
Ask me no more,
Lest I should bid thee live;
Ask me no more.
Ask me no more: thy fate and mine are sealed:
I strove against the stream and all in vain:
Let the great river take me to the main:
No more, dear love, for at a touch I yield;
Ask me no more.
もう何も尋ねないで (「女王(プリンセス)」より)
アルフレッド・テニスン
もう何も尋ねないで。
月は海を引き寄せるかもしれません。
雲は天空から降りてきて、かがみ込み、
幾重にも折り重なり、山や岬を形作るかもしれません。
でも、ああ、なんて愚かなのでしょう!
いつ、私はあなたに答えたというのでしょうか?
もう何も尋ねないで。
もう何も尋ねないで。
どんな風に私は答えればいいの?
私は痩せた頬も、虚ろな瞳も愛せはしません。
ああ、友よ。私はまだ、あなたを死なせたりはしません。
もう何も尋ねないで。
もう何も尋ねないで。
あなたと私の運命は決まっているの。
私は流れに逆らおうとしましたが、すべては無駄でした。
大きな川が私を海に運ぶのに任せましょう。
愛しい人、もうやめて。
触れれば、私はきっと挫けてしまうから。
もう何も尋ねないで。
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