絵画:ローレンス・アルマ=タデマ 「バッコス神への奉献の儀式」 (1889)
Sir Lawrence Alma-Tadema A Dedication to Bacchus 1889
MIDI:サン=サーンス 組曲『動物の謝肉祭』より 「序奏とライオンの行進」


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この絵画には、考古学的なディテールがふんだんに盛り込まれ、
当時大きな話題になりました。

ワインを担いだバッコス神(酒の神)祭の行列が祭壇に近づいていますが、
祭壇の背後には彫像「アリエッティの若いケンタウロス」
(ローマ、カピトリーノ美術館所蔵)があります。
そしてその背後の白い浮き彫りは、
ラピテーズ族とケンタウロス族(四つの脚をもつ半人半馬の怪物)の戦いを描いた
「ケンタウロマキアのフリーズ」(大英博物館所蔵)を元に描かれました。

手前には、女祭司が2人描かれていますが、
左の祭司の足元にあるのは、ドイツのヒルデスハイムより出土した、
銀製クラテールが置かれています。
これは、『お気に入りの習慣』 『アンピッサの女たち』にも描かれています。

そしてこの絵画の中でもっとも注目すべきなのは、
中央左寄りにいる、母親に連れられた幼い子供です。
裸に薄い布をまとい、化粧した子供は、母に祭壇を指差されています。
この子は、まさにバッコス祭に捧げられようとしているのです。