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山本丘人 『草枕絵巻』より 「水の上のオフェリア」(原題「美しき屍」) 1926年
Kyujin Yamamoto, Ophelia, 1926.




斜に生ふる青柳が、白い葉裏をば河水の鏡に映す岸近う、雛菊、いらぐさ、金鳳花(きんぽうげ)・・・褻(みだら)なる農夫(しずのお)は汚はしい名で呼べど、C浄な處女(むすめ)らは死人の指と呼んでをる・・・芝蘭(しらん)の花で製(こしら)へた花鬘(かづら)をば手に持って、狂ひあこがれつゝ來やったげなが、それを掛けようとて柳の枝に、攀づれば枝の無情(つれな)うも、折れて其身は花もろともに、ひろがる裳裾にさゝへられ暫時(しばし)はたゞよふ水の面(おも)。最後(いまは)の苦痛をも知らぬげに、人魚とやらか、水鳥か、歌ふ小唄の幾くさり、そのうちに水が浸み、衣も重り、身も重って、歌聲もろとも沈みゃったといの。

ウィリアム・シェイクスピア 「ハムレット」
第1幕第3場より
坪内逍遥 訳 新樹社 シェークスピヤ全集