オフィーリアはウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)の悲劇『ハムレット』に登場する美少女です。彼女は主人公であるデンマークの王子ハムレットの恋人で、国王の顧問官であるポローニアスの娘でした。 ハムレットは父である国王を突然亡くし、王位は父の弟であるクローディアスが継ぎ、ハムレットの母であるガートルードと結婚しました。 王位も母も叔父に奪われた形のハムレットの前に、父である先王の亡霊が現れ、弟に毒殺されたことを告げます。そのことを確かめるために、ハムレットは気の狂ったふりをします。何も知らないオフィーリアは、ハムレットに冷たくされ、涙にくれます。 宮廷で劇が催されます。劇の内容はハムレットの計画で、父の亡霊に聞いたまま、その殺害を再現したものでした。劇を見るクローディアスはただならぬ様子で、結局最後まで見続けることができず去っていき、ハムレットは父の殺害が真実だと確信しました。 そして父を殺害した男と再婚した母ガートルードを責めます。その部屋には壁掛けに隠れたポローニアスがいました。会話を盗み聞きされたと、ハムレットは相手を確かめず切りつけ、ポローニアスは死にました。 父ポローニアスのの死を聞き、オフィーリアは悲しみのあまり、ついに正気を失います。そして、花をいっぱいに抱えながら、宮廷や野原をふらふらとさ迷います。 そして間もなく、オフィーリアは川で溺れ、死んでしまいます。誤って落ちたのか、それとも自殺だったのか、その様子は王妃ガートルードの言葉によって語られます。 哀れなオフィーリアの物語は、多くの画家の心を動かし、絵の題材となりました。このページでは、そのオフィーリアを描いた絵を紹介していきます。 絵画には、オフィーリアの死の場面が語られる第4幕第7場の王妃ガートルードのセリフ、そしてオフィーリアを詩にしたフランスの詩人アルチュール・ランボー(1854-1891)の『オフィーリア』の、原文と翻訳を添えました。それぞれ翻訳者を変えてあるので、比べてみるのもおもしろいかと思います。 |