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John Austen
HAMLET
1922














HAMLET
Act 4, Scene 5

OPHELIA

There's rosemary, that's for remembrance; pray,
love, remember: and there is pansies. that's for thoughts.

LAERTES
A document in madness, thoughts and remembrance fitted.

OPHELIA
There's fennel for you, and columbines: there's rue
for you; and here's some for me: we may call it
herb-grace o' Sundays: O you must wear your rue with
a difference. There's a daisy: I would give you
some violets, but they withered all when my father
died: they say he made a good end,--



オフィーリア
はい、マンネンロウよ、思い出のしるし──ねえ、お願い、忘れないで。それからこれは三色スミレ、ものを思うしるし。

レアティーズ
狂気の中にも教えがある。ものを思って忘れるなということか。

オフィーリア
あなたにはおべっかのウイキョウと不倫のオダマキ。あなたには悔いと悔やみのヘンルーダ。私の分も少しね。これは安息日の恵み草とも言うのよ。それぞれ違った意味を込めてつけましょう。これは悲しい恋のヒナギク。忠実なスミレもあげたいんだけど、お父さまが亡くなったとき、みんな萎れてしまったの。幸せなご臨終だったんですって。

『ハムレット』 第4幕第5場より
松岡和子/訳 ちくま文庫 シェイクスピア全集1 『ハムレット』









HAMLET
Act 4, Scene 7

QUEEN
There is a willow grows aslant a brook,
That shows his hoar leaves in the glassy stream;
There with fantastic garlands did she come
Of crow-flowers, nettles, daisies, and long purples
That liberal shepherds give a grosser name,
But our cold maids do dead men's fingers call them:
There, on the pendent boughs her coronet weeds
Clambering to hang, an envious sliver broke;
When down her weedy trophies and herself
Fell in the weeping brook. Her clothes spread wide;
And, mermaid-like, awhile they bore her up:
Which time she chanted snatches of old tunes;
As one incapable of her own distress,
Or like a creature native and indued
Unto that element: but long it could not be
Till that her garments, heavy with their drink,
Pull'd the poor wretch from her melodious lay
To muddy death.


王妃
柳の木が小川の上に斜めに、
白い葉裏を鏡のような水面に映して立っているあたりで、
その小枝をとりまぜてあの子は珍しい花冠を作りました、
きんぽうげにいらくさ、雛菊、それから紫蘭、
あれはいたずらな羊飼いたちがもっとはしたない名を付けているけれど
貞淑な娘たちは死人の指と呼んでいる。
垂れ下がっている枝にそのかわいい花冠を掛けようと
あの子が登っていったとき、意地の悪い小枝が折れて、花輪と一所にあの娘は
啜り泣く小川に落ちてしまった。衣裳の裾がひろがって、
それに支えられて、人魚のように暫く浮かんでいるあいだ、
あの娘は切れ切れに古い祈りの唄をうたっていました。
まるで自分の不幸が分からない人のように、
でなければ水に生まれてその中に
棲みなれていた何かのように。けれどもそれもつかのまのことで、
やがて着物が、水を吸い込んで重くなり、
かわいそうなあの子の唄は川底の泥へ
引き込まれて消えてしまった。

ウィリアム・シェイクスピア 『ハムレット』 第4幕7場より
木下順二訳 講談社文庫