音楽:レクイエム K.626 “イントロイトゥス(入祭文)”

絵画:ハーバート・ドレイパー(1864-1920) 「イカロス哀悼」(1898)
Herbert Draper,
The Lament for Icarus. 1898


モーツァルトの家を訪れた仮面の男は、
モーツァルトに死者のための鎮魂ミサ曲(レクイエム)を依頼します。

死んだ父を思い出させるその男を不気味に感じながら、
「金ははずむ」という言葉に、
モーツァルトは、その仕事を引き受けます。



仮面の男の正体は、もちろんモーツァルトを憎むサリエリでした。
サリエリの計画はこうでした。

計画は単純だった。怖いほどに・・・。
彼に鎮魂ミサ曲を書かせて、殺すのだ。

彼の葬式 ──
葬儀のため大聖堂に集まるウィーン市民
中央には彼の小さな棺が置かれている

そしてその静寂を破るように、音楽が ──
神々しいまでに荘重な調べが鳴り響く
死者を悼む偉大な鎮魂ミサ曲

モーツァルトのためのレクイエム

作曲は彼の最良の友である ──
アントニオ・サリエリ

何という荘厳さ 何という深み
悲哀に満ちた音楽

ついにサリエリは神の音色を生み、神はそれを聞く
もう止めることはできない
私が神を笑う番なのだ


サリエリが陶酔したように計画を話すシーンに流れていたのが、
今お聞きいただいている「レクイエム」より“イントロイトゥス(入祭文)”です。

絵画は、2003年の夏上野で催された「ヴィクトリアン・ヌード」展でも展示された
ハーバート・ドレイパーの「イカロス哀悼」です。
とても大きな絵で、画面いっぱいの大きな翼が感動的でした。