音楽:ペルゴレージ作曲 『スターバト・マーテル』より
第12曲「肉体は死んで朽ち果てるとも」
Giovanni Battista Pergolesi, Stabat Mater,
No12.Quando corpus morietur-Amen.
Lucas Cranach the Elder, Virgin and Child. 1525-30.
老人サリエリは神父iに自分の少年時代を話し始めました。
イタリアの小さな町レグナゴで育った少年の夢を。
モーツァルト、彼は私の憧れだった。
モーツァルト、早くからその名を聞いていた。
私が遊びに夢中な頃、
彼はすでに国王や皇帝やローマ法王の前で演奏していた。
私はねたみを感じた。
彼の噂を聞くたび、神童としての才能より、
彼を導く父親の存在が羨ましかった。
私の父は音楽など理解しなかった。
モーツァルトのようになりたいと言ったら、父は答えた。
“猿回しの猿になりたいか?
サーカスのようにヨーロッパを連れまわされたいか?”
父は音楽こそ私の命だと分かってくれrなかった。
教会で父は商売がうまくいくよう熱心に祈っていたが、
私は心の中で、1人そっと祈った。
“神様、私を偉大な作曲家に。
音楽であなたの栄光を讃えます。
世界中で私の名が不滅に輝きますように。
私の死後も、私の曲と名声が語り継がれますよう・・・
そのお返しに、私は生涯純潔を守り、まじめに働き、
昼も夜もあなたを敬います”
その願いが通じたように、サリエリの父は急死し、
サリエリの運命は変わります。
サリエリは音楽の都オーストリアのウィーンに行き、
音楽家となり、ついには無類の音楽好きだった皇帝ヨーゼフ2世の
お抱え作曲家となったのです。
サリエリは満たされ、幸せでした。
神も音楽を、共に愛し、愛されていると思っていました。
けれど1781年にウィーンにやってきた1人の若者が
すべての運命を変えてしまったのです。
そな若者こそ、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトでした。
今お聞きいただいている曲は、サリエリの回想シーンで流れていた、
ペルゴレージの『スターバト・マーテル』より
第12曲“肉体は死んで朽ち果てるとも”です。
Wolfgang Amadeus.Mozart, Klavierstück, K.33b.
上記は映画で幼いモーツァルトが大司教の前で演奏した
「Klavierstück」という曲のMIDIです。
曲名をクリックすると曲Iが流れます。
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