音楽:『後宮からの誘拐』K.384より フィナーレ“太守セリム、いつまでもばんざい”
Wolfgang Amadeus Mozart, The Abduction From The Seraglio: Turkish Finale.



絵画:ジャン・アントワーヌ・ヴァトー 「フランスの喜劇役者」
Jean-Antoine Watteau, French Commedians. 1720.



サリエリがモーツァルトと初めて正式に対面したのは、
モーツァルトが皇帝ヨーゼフ2世に招待された時でした。

音楽を愛するヨーゼフ2世の元にはサリエリを始めとする
宮廷音楽家達がいましたが、イタリア人ばかりでした。
当然上演するオペラはイタリア語ばかりでした。

そこでヨーゼフ2世はモーツァルトにオーストリアの母国語であるドイツ語で
オペラを作曲するよう依頼しました。





モーツァルトが作曲したオペラの舞台は
なんとトルコのハーレム(後宮)。
誘拐されてトルコのハーレムに売られた恋人を救い出す冒険物語
『後宮の誘拐』でした。
ちなみにヒロインの名はモーツァルトの妻となる女性と同じ、
コンスタンツェです。


モーツァルトのオペラ『後宮の誘拐』を観てサリエリは驚きました。

自分が密かに恋していた女性歌手がヒロインを演じていたのです。

自分の所にレッスンに来ていた彼女に、
モーツァルトとオペラの悪口を吹き込んでいたのに…。





オペラが終わった後、
モーツァルトとコンスタンツェの婚約発表がありました。

それを聞いた女性歌手はモーツァルトに花束をぶつけると
足早に去っていきました。
サリエリはモーツァルトと彼女の関係を悟り、
ますますモーツァルトへの憎しみを募らせるのでした。

このページの音楽はオペラ『後宮からの誘拐』から
フィナーレ“太守セリム、いつまでもばんざい”です。
映画ではこの曲をサリエリの恋する女性歌手が、
サリエリに見せつけるかのように高らかに歌っていました。

そして絵画はヴァトーの“French Commedians”です。
当時の舞台の華やかさが感じられます。