フレデリック・ケイリー・ロビンソン 「青い鳥」 1911年
Frederick Cayley Robinson, The Blue Bird, 1911.


音楽:J・S・バッハ 「シャコンヌ」 無伴奏バイオリン・パルティータ第2番 BWV1004より
J.S.Bach, Chaconne (Partita No.2 g moll BWV1004 for Cello Solo).






 チルチルとミチルとその一行が夜の御殿に入ってきました。
 光の精にこの国に青い鳥がいると聞いたからでした。

「夜の女王様、ぼくたちは青い鳥を探しにきたのです。どうか鍵を貸してください」

 夜の女王が持っている鍵は、御殿のどの部屋も開けることのできる鍵でした。
 最初、女王は鍵を貸すのを渋っていましたが、チルチルの帽子のダイヤを見ると、しぶしぶ鍵を渡しました。

 チルチルはその鍵で次々に部屋を開けていきました。

 一番目の部屋には青い顔をした“幽霊”がいっぱいいました。
 戸を開けると幽霊たちは次々に部屋から逃げ出しました。
 パンの精は怖がって逃げ出し、犬のチローは吠えました。チルチルは夜の女王とチローと一緒に幽霊たちを追いかけ、元の部屋に戻しました。

 二番目の部屋には“病気”たちがいて、ぶるぶる震えていました。

 三番目の部屋は“戦争”

 四番目の部屋には“影”と“恐れ”が暗闇の中にじっと座っていました。

 五番目の部屋には、蛍が飛び、ナイチンゲールが歌って、若い娘の姿をした星たちがナイチンゲールの歌に合わせて踊っていました。

 でも青い鳥の姿はありませんでした。