フレデリック・ケイリー・ロビンソン 「青い鳥」 1911年 
                        Frederick Cayley Robinson, The Blue Bird, 
1911. 
                         
                        音楽:トゥールロッホ・オ・カロラン ファールチャ・カロラン〜カロランの歓迎 
                        Toirdhealbhach Ó Cearbhalláin, "Fáilte Cearbhalláin"(Caloran's
                        Welcome). 
                         
                        
                        
                        
								
                            
                            
									
									
									
                              
											
                                  
                                  
                                     
                                     森の王様カシの木は言いました。 「森の動物たちもみんな人間に殺されたり、捕らえられたりしているぞ」 
                                     
                                     いつの間にか木の精たち動物たちも、チルチルたちを取り囲んでいました。 
                                     「青い鳥を渡すことはできない」 「人間が幸せになったら、もっとひどいことをわたしたにするだろう」 「人間は敵だ」 
                                    「この子どもたちを生きて返すわけにはいけない」 
                                     
                                     木々が、動物たちが、チルチル、ミチル、犬のチローに襲いかかってきました。 
                                     
                                    「その犬からしばってしまえ」 
                                     チローはフジのつるにしばられてしまいました。 
                                     ネコのチレットは逃げてしまったのか姿が見えません。 
                                     
                                     チルチルはミチルを後ろにかばいました。 「ミチル、こわくないよ。ぼくの後ろに隠れているんだ」 
                                     
                                     そしてポケットに入れていた小さなナイフで必死に戦いました。 
                                     
                                    「坊ちゃん、ぼくがついてますよ。みんなやっつけちゃいましょう!かかってこい!かみついてやるぞ!」 
                                     
                                     オオカミが歯を向いて飛びかかり、ウシが角でつこうと突進してきます。カシノ木の王様も杖をふりあげて襲いかかってきます。 
                                     チルチルは飛びかかってくるものを払いのけ、ナイフを振り回し必死で戦いました。犬のチローもオオカミにキツネ、ブタやシカを追いかけ、かみつきました。 
                                     けれど多勢に無勢、チルチルもチローも次第に疲れていきました。 
                                     
                                     その時、森に光が差し込みました。 
                                     光の精が来てくれたのです。 
                                     光の精がこちらに近づくにつれ、森は明るくなり、夜が明けてきました。 
                                     「チルチル、ダイヤを回すのです!」 
                                     
                                     光の精の言葉にチルチルは急いでダイヤを回しました。 
                                     すると木の精たちは急いで自分の木の幹の中に逃げ込み、幹は元の通り閉じました。 
                                     動物たちも消え、森は静かになりました。 
                                     
                                     チレットがそろそろと、びっこをひきながら、やぶの中から現れました。 
                                     
                                    「おい、ネコめ、おまえ、どこにかくれていたんだ?」 
                                     チローが怒って飛びかかろうとしました。 
                                     
                                    「あら、あたし、ずっと気を失っていたのよ。おなかをウシにつかれるし、カシの木に手を折られてしまったの。それからお嬢ちゃんに飛びかかろうとしたブタをやっつけようとして、なぐられて、それで気を失ってしまったのよ」 
                                     
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