フレデリック・ケイリー・ロビンソン 「青い鳥」 1911年
Frederick Cayley Robinson, The Blue Bird, 1911.


J・S・バッハ G線上のアリア (管弦楽組曲第3番より)
Johann Sebastian Bach, Air on the G String (Orchestral Suite No.3 in D, BWV106).







 露の中をはだしで駆ける幸せが大勢の友だちを連れてきました。
 背の高い美しい天使のような人たちで、輝く着物を着て、静かに近づいて来ました。

「向こうから来るのは“喜びたち”ですよ」
 健康な幸せが教えてくれました。

「わたしたちと仲良しなのですよ。一番前にいるのは正義の喜びです。不正なことが正されると、いつでもにこにこ笑っているのです。でもまだわたしは若いからそれを見たことがないのですが… それからいいことをする喜びです。一番幸せなのに、一番悲しい喜びなのです。それから考える喜び仕事をなしとげた喜びものの分かる喜びです。そして遠くにいるのは愛する喜びです。でもあの人には会えないんですよ。もっと大きくならないと…」

 新しい喜びが近づいてきます。
「あの人は、たぶんここで一番きれいな喜びですよ」

「だあれ?」

「分かりませんか?よくご覧なさい。魂の底から。彼女はあなたを見ました。ほら、両手を広げてこちらに来ますよ。彼女は母の愛の喜びなのです」