帰ってきた娘
(4)


哀れな娘は火あぶりにされることになり、
刑場へと連れていかれました。

その時でした。
空から、金色の光が差し込み、聖母マリアが現れたのです。

清き御手に みどり児が
聖衣の裾に みどり児が
真白の腕に みどり児が
天使の笑みを浮かべます

聖母マリアは地上に降りて、娘を招き、申されました。

3人の子を、母の腕に抱くがいい
苦しみの時は終わり、悲しみの時は消え去った。
陽と月と星を奪われたわたしの涙は、ぬぐわれた。

娘は駆けて、ひざまずきました。

聖母マリアよ 天の母 
御国の慈母よ 地の教母

娘は口がきけるようになり、城へまた迎えられました。

母として子を守り、妻として慕われて、
優しい日々をおくりました。

そして捧げる祈りは、アヴェ・マリア。